沖縄人の長寿の秘密は食生活にあるという話は90年代にフランスでも話題になり、以来、健康維持に敏感なフランス人は、有機栽培とマクロビオティックにも注目している。そんな健康ブーム、日本ブームに乗って寿司、ラーメンなど日本食は、フランスでかなりポピュラーになってきている話はご存知だろう。
今年に入り、このブームは更に加熱し、5つ目の味覚、旨味と日本の伝統発酵食品の 鍵を握る、KOJI麹が健康食品のキーワードになって来た。フランスの日本食品店でなくとも有機栽培食品のみを扱うスーパーなどでは、日本の味噌や豆腐が買えるが、最近はフランス製の伝統発酵食品も登場し、中でもフランス人味噌杜氏が作るフランス産ご当地味噌が好調なスタートを切っている。
10年以上、薬草を使った自家製の健康食品を製造、販売していたベデスさんは筋金入りの味噌大好き人間。有機食品ショップや日本食品店で味噌を購入し、味噌汁だけでなく海藻やワカモレに混ぜて(! )食べていたが、『これぞ ‼︎ 』という味噌に出会えないでいた。そこで、日本独特の製法、麹にこだわった本物の味噌を自分で作るべく、研究を重ね、それでも謎が解けない彼は、ある日、日本での味噌修行を決心した。百件以上の味噌蔵に自動翻訳のメールを出し、返事をくれた12件の味噌蔵を2015年に訪問し、それぞれの味噌作り、味噌の奥深さを学び、そして、沢山の思い出を作って帰国した。
その後、フランス南西部、標高550mの小さな村で、年中適温に保たれる壁の厚い家を見つけ、味噌蔵に改造。日本から取り寄せる米麹、麦麹と、地元でできる有機栽培の穀物を仕入れて米味噌、麦味噌味噌を作り始めた。2017年からはネットショップ http://www.yoromiso.fr で、自家製味噌『養老味噌』の販売を開始し、売れ行きを順調に伸ばしている。
養老味噌を買う60パーセントがフランス人で、味噌ホーム・メイド・キットを買う80パーセントは在仏日本人とのこと。『養老』というネーミングにも増して、岐阜県産かと見紛うほど素朴かつ、ほど良い塩梅のヘルシーな味噌作りに成功しているベデスさんは、当地で味噌作りワークショップも開催するなど、味噌の普及活動もしている。『味噌は世界一の完全食品。いつか薬草味噌も作ってみたい。』と豊富を語ってくれた。
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©️Yoromiso

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